真の遅読者が読んだら、高速読書が可能になったのか。
「死ぬほど読めて忘れない 高速読書」
実際に読んでみたので、できるだけネタバレ無くご紹介したい。
結論、(遅読者には)高速読書はスグには難しい。
まず、速読とは異なるため、速読よりも内容を忘れない方法にもフォーカスを当てて書かれている。
遅読者の私目線で詳しく見ていこう。
高速読書の方法とは

計30分で1冊の本を3回読む
1回目15分・2回目10分・3回目5分
詳しいことは書かないが、簡単に言うとこれが理想の高速読書だという。
正直、遅読者には難易度が高い。
トレーニングは要らないと書かれているが、遅読者から言わせるとトレーニングが必要。
一冊を15分などで読める可能性が見えない。
実際に方法を実践してみたが、1冊(1回目)を読むのにトータル5~6時間はかかった。
しかし、この本を読む前は1週間ほどかけて読んでいたため成長は感じる。
1回目15分で読めないのは私だけだろうか。
読書テクニックは有効だと感じるものばかりだが、紹介されているテクニックの数が思っていたより少なかった。
そして、その読書テクニックは遅読者には訓練の時間・慣れる時間が必要だと感じた。
内容を忘れない方法には賛同する

しかし、外出先や通勤時間にはなかなか難しい方法な為、「気軽に読書」が難しいのではないかと感じた。
少しネタバレすると、紙(ノート)とペンが必要になるのだ。
ソファーにくつろいで読む、電車の中で読むなんて時には難しい。
私独自のアドバイスとしては、そんな状況のときは付箋だけしておいて、
時間がゆっくりとれる時に紙とペンでの作業をするのが良いのではないかと考えた。
紙とペンより効果は下がるかもしれないが、スマホ等でメモをしてもよいと考えた。
内容を忘れない方法の詳しいことは実際に読んでみてほしい。
遅読者ならではの概念から解放
一字一句全てを読み、理解するという概念から解放してくれたが
しかし、この概念のまま人生を歩いてきてしまったので、なかなか修正が難しい。
本から少しの収穫を見つけられれば良いから、全部を吸収しようとしなくていいと本書は言う。
遅読者はトレーニングや慣れが必要。
もちろん、普段から読書をしている方には、本書に書かれていることが難しく感じない方もいるだろう。
しかし、あまり読書をしてこなかったが、
「高速読書ができるならやってみたい」
と思って本書に手を伸ばした遅読者にはスグに実践できる内容ではなかった。
内容を忘れない理屈や根拠も理解できる。
しかし、読書という行為自体のハードルが高くなってしまう、遅読者には。
ノートとペンが必要だなんて。
フリマアプリなど中古で本を手放すことが困難になる

内容を忘れない方法の中に、
「本に文字を書き込む」
「ドッグイヤー(ページの角を折る)をする」
という作業がある。
もちろん、この作業の理由や根拠は理解できる。
だが、これをしてしまうと保管or処分しか本の行き先がなくなってしまう。
もちろん、最初から手放すつもりがない本であれば良いと思う。
しかし、いろんな本と出会って行けば、中には保管しておくほどの本じゃないこともあるだろう。
この方法を行った場合、その本は処分しかない。
それは何だか庶民にはもったいなく感じてしまう。私であれば、フリマアプリで出品したいと思ってしまう。
綺麗に本を保管しておきたい人にはもっと難しいだろう。
本にメモを書き込めというのだから。
電子書籍は論外
電子書籍による高速読書の方法は一切書かれていなかった。
紙の本が前提の話である。
もちろん、電子書籍でも活用できる読書テクニック等はあるが、内容を忘れない方法である直接書き込む方法は難しい。(iPadとApple Pencilで直接メモができるらしいが)
本を読まないなんてもったいない

本の内容を忘れずに、たくさんの本を読めることは人生において素晴らしいということは理解できる。
読書の大切さを再確認させられ、本を読まないなんてもったいないと感じさせられた。
本は自分の先を歩く先人からのメッセージ・アドバイスなのだから、と。
この本を読みたいと思った理由
私は今まで読書をしてこなかった。漫画は読んだが。
小学生のころ、図書室でハリーポッターを借りて本を開いたとき、この遅い読むペースで分厚い本を読める気がしなくなり投げ出したのをきっかけに読書が苦手になってしまった。
おかげで周りの友達のハリーポッタートークについていけなくなったという苦い思い出も残った。だから私はハリーポッターが好きではない。
中学、高校、大学と成長しても、読書には至らなかった。
全く読まないわけではないが、趣味といえるほどガツガツ読むなんてことは一度もなかった。けれど、たくさん読めれば楽しいだろうなと心の隅でいつも思っていた。
速読の本や遅読者のための本なんていう本にも手を伸ばした。
けれど結局どれも身にならなかった。
それらの本すら読むのが遅すぎて、最後まで読み終わったころには内容を忘れてしまっていたからだ。
読書は一種の才能なのかもと諦めた瞬間になってしまった。
そんなあるとき本を読む機会が増えた。
スマホも見るのがつらくなり、ゲームか読書で心を慰める時間が増えたのだ。
この時間のおかげでプチうつも徐々に改善され、読書っていいなと思えた。
そこから読書はするようにはなったのだが
いつまで経っても読むスピードはカメだった。ウサギにはなれなかった。
そこで本屋さんで目に入ったのがこの本だった。
少し希望が見えた気がした。
正直、内容は超遅読者には難しいものではあったが、読書の概念や仕方の工夫を知れたのが私に大きな影響を与えた。
もっと読書して、いつかこの本がいう「忘れない高速読書」ができる日を目指したいと思わせてくれた。
この本を読み終わったころには、もう読書への抵抗はどこかへ消えてしまっていた。
高速読書を目指します!
以上、とろろでした。