
※2022年10月17日に文庫本『コンビニ人間』を購入し、面白過ぎてたった1日で読破。
今回は、
就職経験が無い独身の私ブロガーが、
著者:村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』を読んだ感想を紹介していきます。
実は、『コンビニ人間』の主人公と境遇が似ている私。
そんな私が読んだ感想と考えたことを書評として残しておきます。
また、読解力が乏しい私でも最後まで楽しく読めたのか、そして『コンビニ人間』をぜひ読んで欲しい方についても解説していきます。
『コンビニ人間』は読書ビギナーでも読みやすい?

結論、『コンビニ人間』は読書が得意じゃない私でも、とても読みやすかったです。
- 登場人物の多さ
┗多くないので混乱しなかった - 物語の長さ
┗短編小説に近いコンパクトさ - 回想シーンの多さ
┗少なくて混乱しにくい - 難しい言葉や専門用語の多さ
┗少なくて読みやすい - 私が読破するまでの時間
┗約5時間
1年で10冊以内という読書を普段しない私は、本に飽きて途中で読み辞めてしまうことがあります。
しかし『コンビニ人間』の場合は、本の分厚さで物語の短さが読む前から分かるので「これくらいの量なら読み切りたいな」という気持ちにもなりました。
※私は文庫本で読みました。
実際に私は、亀のような読書スピードにもかかわらず、たった一日で読み終えることができました。
小説に飽きが来る前に一気に読み終えることができちゃうので、読書初心者の方でも読みやすい作品でした。
【書評:コンビニ人間】私が考えさせられたこと。

ここからは『コンビニ人間』を読んで感じたことや考えさせられたことを紹介します。
- 私と社会の関係とは
- 自分の”変”を削除する必要性
- 普通って何?
- コンビニ店員に就職できた
なお、ここからの文章は「です・ます」ではなく「である・だ」の文章に代わります。
メモ感覚でザザッと書いた文章なので、予めご了承ください。
温かい目でご覧ください。それでは、どうぞ。
【書評:コンビニ人間】①私と社会の関係とは
自分の「社会との繋がり」について考えさせられた。
自分、そして他人の多くは周りの環境に馴染み、周りの環境の影響を少なからず受けて形成されているのだとと気付かされる。
自分が周りに流されていたとしても、それも生きる力なのかもしれない。
私はフリーランスで、しかもブロガーだから、社会との繋がりは感じにくい職業だ。
いつものパソコン作業は孤独だし、友人も一向に増えない。
人間関係は学生時代以降、広がったことはない。
そんな私が唯一、社会との繋がりを実感てきる瞬間を考えてみた。
出た結論は、やはり「ブログ」だった。
むしろそれ以外なかった。
自分の知恵や自分のリサーチ結果を全世界の方と共有し、誰かのためになる文章を書いてきた。
そんなブログ記事を更新し続けることが、私にとっての社会との繋がりなんだと思う。
「誰かのために」と、そんなカッコつけた風にブログ運営はしているが、本音は社会とつながる自分のためなのだと思う。
私は「ブログ人間」だった。
【書評:コンビニ人間】②自分の”変”を削除する必要性
自分の変な部分をそのまま受け入れ、そんな自分を社会の一部品として生きていく。
そういう意味で言えば、私の”変”が絡まり合い、私の現状の天職は「ブログ」だった。
コンビニ人間の主人公:古倉さんも、おそらく自分を活かせる場所がコンビニだったというだけ。
それを他人に良し悪し指摘されるのは無視でいい。
自分が満足して生きていけるなら、それ以上幸せなことはない。
【書評:コンビニ人間】③普通って何?
「普通とは何なのか」と考えさせられる作品だった。
根強く浸透した日本人としての普通と、その普通を辿った人間の無意識の除外体質。
※除外体質については本書をご覧ください。
そして、いつまでも多様性が広がらない根源を『コンビニ人間』では残酷なほど見事に表現されていたように感じる。
私も古倉さんと似た経歴で、共感できる感情も多かった。
就職や結婚に対する圧は、普段は感じない。
なぜなら周りの人は私に気を遣ってくれているから。
友人も家族も。
だが、無言の圧力はヒシヒシと常に感じている。
稼ぎを増やしてほしい、家庭を持ってほしい、孫が見たい…そんな思いをしているだろうなと言う妄想が止まらないのも事実。
そんな妄想をしてしまう私も、古来の日本人の普通に支配されているのだろう、と感じた。
普通は人それぞれで良いはずなのに、無意識に自分を強制し、他人にも強制してしまっている現代の風潮を『コンビニ人間』で表されていた。
胸が痛くなるほど、忠実に描かれていた。
人それぞれの普通は、誰からも邪魔されてはいけないと思うし、誰かの影響を受けても良いんだなとも感じた。
これこそ”普通”の多様性。
頑固で自分を貫く普通、周りに流されて出来た普通、どちらも素晴らしいし、異論は有り得ない。
他人が異論を唱えていいことではない。
ただし。
自分以外の人が”人道から外れそうな時”だけは、”普通”という優しさで手を差し伸べることも必要だということも同時に学んだ。
【書評:コンビニ人間】④コンビニ店員に就職できた
私が『コンビニ人間』を読もうと思った理由。
それは「頭の中で沢山の職業に転職したかったから」である。
人生において様々な仕事を経験してみたいという好奇心はあるが、実際にはそうはいかないのも現実。
だからこそ、お仕事系の小説を読むことで様々な職業に転職してみたいと考え『コンビニ人間』に出会った。
『コンビニ人間』を読んでみると、コンビニ店員さんしか分からない略称や仕事上で気を付けている点を事細かに表現されていて、とても勉強になった。
コンビニ店員さんが、何を大事にしていて、何が嫌で、仕事仲間の人間関係はどうなのか…などを知ることができた。
結果的に私は小説で、コンビニ店員さんに転職できた。と妄想完了した。
【書評:コンビニ人間】こんな人はぜひ読んで!

家庭環境、学歴、就職、結婚など、周りの人と比較してしまいコンプレックスを抱えている人は、ぜひ読んでほしい。
少しでも物語に共感してしまうと、読み終えるまで気分が落ち込んだり頭を抱えて悩んでしまうこともあり得ます。
なので『コンビニ人間』を読む際は、一気に読み終えちゃう方が良いです。
途中で中断してしまうと、ネガティブな感情に憑りつかれてしまう可能性大ですよ。
現に私も、古倉さんに共感しすぎて「私とは?私の普通って?私の今はコレで良いのかな?」と自問自答が止まらなくなるほどです。
最後まで読んでしまえば、読者の私たちも気持ちをひと段落させることができるので、短期間での読破が個人的にはオススメです。
書評まとめ:『コンビニ人間』で”普通”を問われる

- 物語が短めで読書初心者でも非常に読み進めやすい
- 「普通・変・社会との繋がり」コンプレックスとの葛藤に共感
- コンプレックスを抱えている方のヒントになる
芥川賞を受賞した作品だとは知っていて「いつかは読みたいな」と思っていた作品をついに読むことができました。
やっと読めて嬉しかったし、内容も楽しかったです。
何の予備知識も入れずに読んで「コンビニ店員の面白い物語かな」と思って読んだら、面白いほど裏切られました。最高。
こんなにも自分の人生を考えさせられるとは思ってなかったです。
まだ読んでいない方は『コンビニ人間』をぜひ、どうぞ。